フレームイン・フレーム
自転車の、何というかこう、手頃なメカニカル感が好きです。機械式時計のムーブメントとかああいう何がどう絡みあって成立してんだかわからないメカニクスも堪らないものがありますが、自転車のシンプルでありながらも安全性や駆動性に配慮され尽くした構造もまた素敵ですよね。
スポークやフレーム、チェーンの織り成す剥き出しの素材感。
先日触れた、街角のワンシーンとしてもよく映えます。生活に密着してる日常感。
時には悲哀を感じさせたり。放置は良くないですよ。
スポーツサイクルのような殊更スタイリッシュな逸品で無くとも、風景に溶け込むと不思議と被写体として映える気がします。
キリトリセン
写真は瞬間や空間を「切り取る」と表現されることがあります。
切り取るということは、フレームの外側には切り取られるものが存在します。
同じ場所で、同じ被写体を捉えても、その切り取り方には撮影者の「意志」が反映されます。
マーガレット。周囲の情報を切り取って、花だけを撮る。
同じ場所の同じ花。遠くに見えるのはベンチ。陽の当たる公園のような場所。これだけで情報量がぐっと増えて、その一方で花そのものの主役感は薄れました。
やはり同じ花。
2枚目と同じように背景を含めても、角度が変われば写真に含まれる情報が変わります。
建物や道路標識に囲まれた場所だとわかる一方で、1枚目のような咲き乱れる姿は想像しにくくなります。
切り取った外側に残るのは、想像の余地であり、引き算された情報。構図を決めるという作業は、自分なりの切り取り線を見つける作業なのかも。
「写真を撮る」という行為に惹かれるのは、そんなところかもしれません。
#もちろん切り取る作業はカメラのファインダー内でやりましょう。そこにあるものを勝手に切ったり壊したりはダメですよ。
さいかい
前回のエントリからさくっと2年以上経ってしまいました。まぁ仕方ないですね。
というわけで織姫と彦星の再会の日に再開。
街角の写真を撮るときは、そこを行き交う人とか車とか、そういうものが写りこむように狙って撮ることが多いです。人の息遣い、生活、気配。それが街ですからね。モノを撮るときや大自然の景色を撮るのとは、やっぱり違います。
例えばこんな写真。看板が可愛いので撮ってみたのです。これはこれで好きなのですが。
ただ通りすがった見知らぬ人の去り行く足と、また別の道を行くかのような猫。看板ですけど。
もし彼がたまたま初めてここを通った人なら、彼と猫はまたいつか再開するのでしょうか。毎日通るのなら、これが再開の一瞬だったのかもしれません。
意味のない想像かもしれないけれど、街では人々のそんな瞬間が交錯し続けていて。
そんな空気が表現できたらいいな、と思いながらシャッターを切っています。
再開の日に応援してるチームが最下位、とかいうオチがつかなくてよかった。頑張れ横浜DeNAベイスターズ。
桜が咲くから
今年も春がやってきました。春と言えば桜。あとはうちの子の誕生日です。
今年も昨年同様、南河原公園に行ってきました。このときは八分咲き〜九分咲きと行ったところでしたでしょうか。満開というにはまだ少し蕾も目立っていた感じです。晴れていて心地よかった。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
撮ってきたのは桜だけではありません。
こちらはハナモモ。特にこうやって赤と白が混ざるのは源平咲きというのだそうで。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
ほかにもこんなの撮ってきました。
ええと…なんだろう、桜の一種ってことでいいのかなぁ。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
八重桜っぽいの。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
さてその次の週。一気に満開になった桜が早くも葉桜になりつつある中での撮影。こちらは川崎駅から南武線沿線沿いにある「さくら緑地」。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
こうしてみると、やはりもう葉が目立ち、花びらも散り始めているのがよくわかります。あえてこの時期の桜を写真に収める、というのもなかなか面白いです。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
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電車と桜。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
さらに数日後の早朝に撮影した桜の写真。本格的に葉が生い茂り、わずかに残る桜が儚さを際立たせます。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
そして一重咲きの季節は終わり、入れ替わるように八重の桜の季節です。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
まぁ季節ものということで。
次回からはちょっと趣向を変えていこうかと思います。僕なりの写真の撮り方というか、何を考えてどう撮ろうとしているのか、みたいなテーマでまとめていこうかなと。
間違ってもレクチャーとか講座とか、良い撮り方とかそういうアレではありません。
まぁ、1年分写真が結構溜まったので、季節感無視したエントリを正当化しよう的な。
雪の朝
昨日は関東でも記録的な大雪となりました。
夜まで降り続いた雪は深く積もり、景色を一変させます。
とても珍しい撮影のチャンス。でも雪国ではない街の中、人々の営みと陽の光がすぐにその風景を侵食してしまいます。雪がまだ踏み荒らされず、解けることもなく、積もったままの姿を保っている時間はとても短い。
ならば早朝でしょう、ということで朝の6時過ぎからカメラを担いで多摩川まで行ってきました。
川を見渡せる場所に到着。東の空は赤く染まりはじめているものの、まだ水面は暗いです。右下の手すりは歩道橋のもの。この歩道橋は割と立派で僕が端につっ立っていても通行のじゃまにはならないので、ここでしばらく夜が明けるのを待とうと思います。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
上流方向。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
まだ重く厚い雲が上空を覆っています。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
夜明け。鉄橋越しの曙光。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
歩道橋から河川敷へ降りてみました。時間とともに明るさを増して、まだ足跡のない銀世界が姿を現します。まぁこの後僕の足跡がついてしまうのですが。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
空も明るくなってきました。
OLYMPUS E-M5/LUMIX G VARIO 45-200/F4.0-5.6
電車はもちろん昏いうちからとっくに動き出しています。こちらはJR京浜東北線。
OLYMPUS E-M5/LUMIX G VARIO 45-200/F4.0-5.6
OLYMPUS E-M5/LUMIX G VARIO 45-200/F4.0-5.6
赤い電車は京急。雪と関係無いですね…。
OLYMPUS E-M5/LUMIX G VARIO 45-200/F4.0-5.6
朝焼けと鳥。カモメ的なやつ。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.45mm F1.8
川べりまで降りてみました。消波ブロックに積もった雪が良いですね。テトラポッドってのは商標登録された商品名らしいですね。ホッチキスみたいな。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
新雪についた足跡。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
太陽が昇って差しこんでくる光と逆光の風景、なんてのも撮りたかったのですがいい加減寒いし雲もまだ多いので断念。河原の雪も積もったままのこんな姿を見られるのは今だけでしょうね。昼にはきっと子供たちが走り回って雪だるまがいくつも並ぶのでしょう。それもまた良い風景ではありますがね。
OLYMPUS E-M5/(レンズを入力)
撮影の帰り道。
朝7時を過ぎて、人々の生活が始まっています。色んな意味で降ったのが土曜日でよかった。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
六本木Moonlight
六本木は暗くなってからが本番です。
そびえ立つ六本木ヒルズの威容。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3<
六本木ヒルズから望む東京タワーと月。
いいですね、ここ。出来るなら三脚とレリーズ持ってきて、じっくりと撮影してみたいものです。まぁ周囲はスマートフォンで撮影してるカップルだらけですがね!
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
けやき坂に降りてみました。ここからも東京タワーと月が見えています。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
ちなみにさっきから青い写真が多いですね。ホワイトバランスを室内光で調整しています。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
自然な色調だとこんな感じ。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
細い路地からヒルズを望む。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
では、ここから北西方面、六本木トンネルを抜けて青山霊園方面へ。
そういえば前回は霊園から美しい夕景を拝むことが出来ましたが、今回は既に暗いです。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
国立新美術館の上にも月。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
青山霊園、乃木坂トンネルの脇から六本木ヒルズ。
実際にFlickrで見てもらわないとまずわからないと思うのですが、月の真下、木々の上辺りにオリオン座が写っています。これは僕もMacで見るまで気が付きませんでした。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
星条旗新聞前。日米国旗と月。はためいてると嬉しかったのですが、そこまで風強いと逆に辛い。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
そして豚組前へ戻ってきました。この辺りは前回と同じ。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
ミッドタウンの上にも月。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
三次会の時間まで、少しばかりの休憩です。
OLYMPUS E-M5/OLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3
1年前と違うルートでありながら、いくつか同じポイントを撮り歩きました。1年前と違うカメラ、違う視点。
FlickrにjpgでアップするとRAWで現像した手元の写真よりも荒れてしまいますね。E-M5はGF2よりもずっと高感度に強いとはいえ、最大ISO6400でノイズ低減処理もしていないので、元の画像もノイジーではあるのですが。もうすこし綺麗なまま変換できると良いのですが。
(2014.2.1追記)
たまたま新バージョンリリース記念で1月中「DxO Optics Pro」が安くなっていたので購入し、今回の写真を現像しなおし、差し替えました。驚くほどノイズが除去できて嬉しいです。凄いなぁ。